ガジェット

YOOPAI 3DプリンターエンクロージャーでBambu A1 miniを快適運用

YOOPAI 3Dプリンターエンクロージャー購入レビュー|Bambu A1 mini対応の組み立て・設置ガイド

導入の背景

Bambu LabのA1 miniは、コンパクトながら高速・高精度での造形が可能な3Dプリンターです。しかし、どれだけ高性能でも外気温や湿度、空気の流れによって造形品質が左右されることがあります。特にPLAやPETGの造形では、外気温が低いと反りや層剥がれが起こる場合があり、長時間のプリントや夜間の自室での稼働では騒音やフィラメント臭も気になるところです。

こうした課題を解決するため、Amazonブラックフライデーで購入したYOOPAIの3Dプリンターエンクロージャーを導入しました。このエンクロージャーはBambu A1 miniに対応しており、手頃な価格でコンパクトかつ安定したプリント環境を提供してくれます。今回の記事では、購入から組み立て、設置までの手順や使用感、メリット、注意点を詳しく解説します。


組み立て前の準備

まず箱を開け、同梱されているパーツをすべて確認します。フレーム用の棒、耐熱カバー、LEDライトストリップ、簡易工具、説明書が入っています。組み立て前に、パーツがすべて揃っていることを確認することが大切です。

次に設置予定の場所を確認します。A1 mini自体はコンパクトですが、スプールホルダーやプリント中の操作スペースを考慮すると、十分な設置スペースを確保することが推奨されます。また、水平な場所に置くことでフレームの安定性が増し、プリントの失敗リスクを減らせます。


フレームの組み立て

組み立ては非常にシンプルです。フレーム用の棒を差し込み、底面、側面、上部の順に組み立てます。各接続部は工具不要でしっかり固定でき、手で軽く押すだけで安定したフレームが完成します。フレームが完成した時点で、A1 miniを収納するための安定した構造が確保されます。

フレーム組み立て後は耐熱カバーを被せます。隙間なく整えることで、温度保持や外気の侵入防止が可能です。カバーは透明素材で作られており、閉じた状態でも内部のプリント状況を確認できます。また、カバーの開閉は軽くスムーズで、頻繁にプリンターを操作する場合でもストレスが少ない設計です。


アクセサリの取り付け

エンクロージャーにはLEDライトストリップが付属しています。LEDライトは上部に取り付けることで、カバーを閉じた状態でもプリント状況を視認可能です。夜間や自室でプリントする場合でも、照明を追加する必要がなく便利です。

追加オプションにはなりますが、換気パイプを追加すればエンクロージャー内の熱や微細粒子の排出に役立ちます。PLAやPETGであれば換気なしでも問題は少ないですが、長時間プリントや高温素材の使用を検討している場合は、換気パイプの設置が推奨されます。


A1 miniの収納と設置

フレームとカバー、アクセサリを組み立てたら、いよいよA1 miniを収納します。エンクロージャーの内寸はA1 miniに十分対応しており、スプールホルダーを装着した状態でも余裕があります。プリンターを収納した後、カバーを閉じて動作確認を行います。LEDライトで内部を照らすと、ノズルや造形物の状態を容易に確認できます。

設置後は、フレームの安定性、カバーの密閉性、プリンター操作のしやすさをチェックします。組み立てにかかる時間はおよそ20分で、1人でも簡単に設置可能です。初めてエンクロージャーを使用する方でもスムーズに導入できます。


使用感とメリット

温度安定性の向上
エンクロージャー内は外気の影響を受けにくく、A1 miniの造形品質が安定します。PLAやPETGの反りや層剥がれが減り、精度の高い造形が可能です。

騒音・臭気の低減
プリンターを箱の中に収納することで、モーター音やノズルの動作音が外に漏れにくくなります。微細な臭いも閉じ込められるため、夜間や自室でのプリントも快適です。

安全性の向上
高温のヒートベッドやノズルに不用意に触れるリスクが減り、子どもやペットがいる環境でも安心です。

ホコリ・異物の侵入防止
長期間安定したプリント環境を確保でき、メンテナンスの頻度を減らすことができます。


注意点と活用上の工夫

  • サイズ確認:A1 miniやスプールホルダーが収まるか事前に確認してください。
  • 換気の必要性:密閉状態では熱や微細粒子がこもる場合があります。高温素材や長時間プリント時は換気を意識しましょう。
  • 高温・大型素材の制限:ABS、PC、強化素材は非推奨。大型造形の場合は分割プリントが必要です。
  • 視認性の工夫:透明カバーを活用して内部を確認しやすくすることをおすすめします。

A1 mini×YOOPAIエンクロージャーで実現する快適プリント環境

実際に使用してみた感想

YOOPAIのエンクロージャーにA1 miniを収納して数日使用してみました。最初に驚いたのは、フィラメントから出る臭いがほとんど気にならないことです。PLAやPETGなど一般的な素材でも、エンクロージャー内で閉じ込められるため、同じ部屋で仕事やパソコン作業をしながらプリントが可能になりました。これまでのように別室に移動したり、窓を開けて換気したりする必要がほとんどありません。

また、プリント中の騒音も大幅に軽減されました。A1 miniは静音性の高い機種ですが、エンクロージャーで覆うことでモーター音やノズルの動作音がさらに抑えられ、夜間でも作業や会話の邪魔にならないレベルです。自宅で仕事をしながら3Dプリントを回す環境として非常に快適です。


温度安定性と造形品質の改善

エンクロージャー内は外気の影響を受けにくく、温度が安定します。これによりPLAでも反りや層剥がれが減り、造形品質が向上しました。特に小物やアクセサリのような細かい造形では、積層精度や表面の滑らかさが安定し、仕上がりに満足できます。A1 mini本体が持つ高精度な性能を、家庭用の環境でも最大限に引き出せる印象です。

LEDライトを上部に設置しているため、カバーを閉じた状態でも造形状況を確認可能です。プリント開始から完了まで目視で進行状況を追えるので、安心感があります。


運用上の工夫

  • 小物や試作品中心の活用:趣味での小物制作や同人グッズの試作など、比較的小さな造形物であればエンクロージャー内で問題なくプリント可能です。
  • 夜間稼働:静音性と臭気抑制により、夜間でもプリント可能。デスクの横や棚上に設置しても作業環境を妨げません。
  • 長時間プリント時の換気:PLAやPETGは問題ありませんが、高温素材を使用する場合は換気パイプや小型換気扇の併用で安全性を確保できます。
  • 分割プリントの工夫:180×180×180mmの造形サイズ制限がありますが、中物サイズまでの作品は十分。大型造形は分割プリント+接着で対応可能です。

他のエンクロージャーとの比較

YOOPAIのエンクロージャーは、家庭用としての手頃な価格と簡単な組み立て、A1 mini対応のコンパクトサイズが特徴です。他社の上位モデルは、より大型のプリンターや複数素材同時印刷を想定して設計されていますが、家庭での趣味用途には過剰です。

比較ポイントを整理すると以下の通りです。

項目YOOPAI上位・大型エンクロージャー
サイズA1 mini対応のコンパクトサイズ大型プリンター対応、スペース必要
組み立て工具不要で簡単組み立てに時間・工具が必要
騒音・臭気抑制充分に抑えられる同等またはやや優れるがコスト高
価格手頃(セールで5000円程度)高価
用途小物・中物・試作中心大型造形・多素材・量産向け

このように、家庭用でA1 miniを活用する場合、コストパフォーマンス・設置性・実用性のバランスでYOOPAIのエンクロージャーが最適です。


活用例

  1. 3Dモデルの仮パーツ出力
    3DCGで制作したVtuberの小物パーツをプリントし、造形 → 仕上げ → 塗装まで試すことが可能です。
  2. 同人グッズの小物制作
    キーホルダーやフィギュアの小物パーツなどを試作・量産する際、臭気や騒音の心配なく自室で作業できます。
  3. 夜間プリントの活用
    静音設計と臭気抑制により、夜間でも作業に支障なくプリント可能です。
  4. 少量生産・カスタム品制作
    個別カスタムや小ロット生産の場合、A1 mini+エンクロージャーで十分対応可能です。

総合評価

Bambu A1 miniを使用する際、YOOPAIエンクロージャーは非常に有効です。温度安定性、騒音・臭気抑制、安全性、ホコリ防止など、複数の利点を同時に得られます。特にフィラメントの臭いが閉じ込められることで、同じ部屋で仕事や作業をしながら3Dプリントができる環境は大きなメリットです。

コンパクトで設置も簡単、初めてのエンクロージャー導入にも最適です。小物〜中物のプリント、趣味用途、自宅での夜間印刷など、幅広い使い方に対応でき、家庭用として非常にコストパフォーマンスに優れた選択肢と言えます。


今後の活用予定

今後は以下のような活用を計画しています。

  • 3DCGで制作したVtuberモデルの部品を物理出力し、仕上げまで試す
  • 同人誌や創作物付録の小物アクセサリ制作
  • 友人やファン向けオリジナルグッズの少量生産
  • 多色プリントや拡張オプション(AMS lite)の導入を検討

これにより、より幅広い造形物を家庭内で快適にプリントできる環境が整います。将来的には、趣味の3Dプリント環境として、夜間稼働・小物量産・高精度出力を快適に行える拠点として活用予定です。

前回のBambu labのA1miniの記事もありますのでぜひご覧ください。